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内航海運新聞にインタビュー記事が紹介されました。 このひとに聞く 活躍支援船 来年竣工予定

2018/05/21

このひとに聞く
全女性乗組船

活躍支援船 来年竣工予定

協同商船代表取締役専務 福田 正海氏

国土交通省はこのほど海事産業における女性活躍を一層推進することを目的として、海運事業における女性の 活躍を応援する「輝け!フネージョ」プロジェクトを開始した。 そこで、長年先進的な女性活躍推進に積極的に取り組んでいる協同商船の福田正海代表取締役専務に、同社の女性社員 および女性船員の活用の今後の展望を聞いた。

御社の陸上社員は全員女性で、その活躍が広く業界に知られているが、女性社員と女性船員の採用への 取り組み状況について。


当社は、男女問わず「やる気のある人が働きやすい会社」を目指してきた。 この中で陸上勤務の女性社員の採用に積極的に取り組み始めたのは今から1112年前、私が営業を含めた現場の 仕事を行っていく中で、意思疎通しやすい同姓で能力のある真面目な女性の活躍機会が少なすぎることに疑問を 感じたことが発端になった。
その後、本社の総務・経理の一般管理部門以外の船舶運航、修繕管理、船員配乗、労務管理など海工務部門にも、 陸上・海上問わず女性を起用している。この結果、現在陸上勤務の役員、社員の計11名すべて女性(海上勤務社員を除く)が占めている。
女性船員については、約10年前から本格的に採用を開始した。それ以来は、1991年から新人育成のために毎年 12名採用していたが、船員フェアや会社訪問に訪れる就職活動の生徒達の中に、とても優秀な女生徒がいることに気づいた。
また、彼女らが必死に就職活動をしているにも関わらず、船員としての就職先がなかなか見つからないことを知った。 内航船員不足問題が深刻化する中、「業界にとって貴重な人材の損失になる」と思い、女性の採用を決意した。 このため2007年以降、10年間で15名の女性船員を採用した。 一般貨物船および専用貨物船で、毎年順次女性を採用している。
現在、女性船員1期生から10年が経過し、甲板3名、機関2名が乗船しており、そのうち一航士、一機士が育ち、 女性のみで1隻運航できるまでに成長した。


女性船員が働きやすいような労働環境改善の工夫について。

 女性船員のため、2000年に大型原料船の特別室を女性専用室に改修した。 その後、専用室に浴室(シャワー付)、トイレ、洗濯機、冷蔵庫、ドレッサー、その他についても整備した。 さらに、一般貨物船および専用貨物船についても改修を行い働きやすい環境を整備している。
さらに、女性だけの運航が可能となるよう、鋼材荷役を軽減するため、パワーアシストスーツの導入など、 男女ともに労務負担を軽減できるよう支援している。


女性乗組員の長期就労支援策について。

 当社は、わが国の「男女共同参画社会」実現、男女ともに働きやすい会社を目標に、社内結婚の支援と 復帰支援を積極的に行っている。
これは、結婚を前提としたお付き合いをしたい方が船内でできた場合、2名を別々の船に配乗。
休暇を揃えることにより、結婚に向けての支援を行っている。 これらの結婚支援によって、これまで2組のカップルが誕生した。
また、結婚した女性からは「乗組員として現場に復帰したい」との声が多数上がってきている。
このため当社としても、貴重な船員としての経験を積んできた即戦力の人材を消失することなく、 積極活用するため「女性の結婚と子育ても含めた復帰を1つのキャリアパスとした就労支援策」の 検討を進めている。


具体的な女性船員の子育てを含めた復帰策の検討状況について

 来年8月竣工を予定している499総トン型貨物船のリプレースで、「女性が結婚しても子育てできる船」 をコンセプトに、女性だけで運航できるよう現在計画中である。 このため、女性船員を後23名増やすことと、船艙内の荷役軽減システムの設備計画や船内子育て支援策に ついて検討している。 また、男女問わず働きやすい環境を提供できるよう、短い乗船期間のローテーションに取り組んでいる。
新造貨物船については現在、来年の竣工に向けての研究を進めているが、現時点でどこまでコスト負担が大きいか わからない。 しかし、みんなが困っていることで内航業界としても将来やらなくてはならないことなら、経営者の判断として、
「やるべきことは、実行しなくてはならない」と思っている。


最後に、海事産業における女性の活躍への今後の期待について。

 男女の区別なくやる気のある人達、全ての船員がもっと働きやすい環境や機会を海事産業のみならず、 みんなが力を合わせ協力していくことが必要である。
この結果、陸上・海上ともに、優秀な女性の中間管理職や士官が育ち、今後さらなるリーダー、キャリアが 生まれてくるものだと期待している。
当面は早く当社で、私以外の女性役員が誕生することを願っている。